7「欲求、不足感、恐れから解放するには」

 

あなたの欲求の多くは、自分が今それを所有していなくて不幸だと感じている不足感が生まれ、そしてそれを生きているうちに手にしないとという恐怖感が大きくなっているかもしれません。

 

これらから自分を解放するには、上述のように扁桃体を活性化させないで、理性的な働きのある前頭前野を活性化させる必要があります。

 

前頭前野は理性や、創造的な思考を司っていると言われている脳の部位で、扁桃体と前頭前野を同時に活性化させることはできないことが知られています。

 

人はこれら二つの異なる要素を、常日ごろから互い違いに行ったり来たりして、思考や感情が常に動いているのです。

 

例えば、理性的だと思ったら、次は感情が支配したりしています。

 

この理性と感情の移り変わりは、人が受ける出来事や、何らかの外的刺激などによって切り替わることが多くあります。

 

理性的な状態になる時とは、例えば何も問題がないときや、恐れる要素がない時に、自然と人はそうなっています。

 

もっともわかりやすい時が、一人暮らしの休日の寝起きだと言えるでしょう。

 

寝て起きると、外的な刺激がもっとも少ない環境であるといえ、布団から起き上がるか起き上がらないかの時が理性的な状態に自然に慣れている時でしょう。

 

休日の朝は、仕事に遅刻する心配もないし、何かに追われているものや、答えを決めるべきことから解放されている状態です。

 

しかし、平日の朝は今日の会議のことや、顧客のクレーム、作業、さらには遅刻をしてはいけないために、起き上がってからすぐに、朝食はどうするか、何時の電車に乗るにはどれくらいに家を出たら良いかなどを常に考え、そして決めていることでしょう。

 

これは背後にある恐れや、欲求を満たすというゴールに向かって、計画立てて考え、それを満たそうとしていることだと言えます。

 

これに加えて、恋の悩みや問題などがあると、人の脳は理性的な状態どころではないでしょう。

 

これらを例にして何が言いたいかというと、人は常に、欲求と不足感と、恐怖感によって合理的だと思い、動いているということです。

 

しかしこれは、上述してきたように、あなたが本心から動いているのではなく、脳の欲求を満たすことに、あなたが突き動かされている状態だと言えます。

 

欲求や不足感、恐怖感の三つ(それ以外にもありますが)は、とても密接に繋がっていて、どれか一つだけが際立って突出していることは滅多にありません。

 

どれもが繋がって、高まっていることがほとんどです。

 

 

つまり、どれか一つが強くなると、どれもが強くなる傾向があるのです。

 

この作用はネガティブなものに限らず、快楽を得ることにも同じことが言えます。

 

快楽、つまりここでいうと、あなたが運命の人と出会えたり、結ばれたりする、その瞬間だと言えます。

 

人においてこの快楽こそが、欲求と呼ばれているものだと言っても差し支えないでしょう。

 

快楽を得られるために、脳は当人の思考を狭め、視野を狭め、良い感情も悪い感情も高め、動かそうとしているのであり、人は自分で気がつかない限り、快楽の虜になってしまう可能性があるのです。

 

そして、快楽(欲求)の背後にはそれを満たさないと不幸になるという不足感、不測は嫌だという恐怖感が募り、高まっていき、人は徐々に、あるいは急激に理性的な状態を失っていく傾向があります。

 

話を整理すると、人の脳はまず快楽を求めることを欲し、これを欲求と言います。

 

そしてその欲求を満たそうとすればするほど、不足感や恐怖感を大きくさせていき、同時に理性を失う傾向になります。

 

つまり、あなたが不足感や恐怖感から解放されるには、理性的な自分に目を向け、それを維持する努力や、それを習慣にしていくことがまず重要ということになります。

 

不足感や恐怖感とは、上述してきたように、欲求が高まることによって全てが膨れ上がっていきます。

 

そのような中で理性的な自分を維持することは難しいだけでなく、とても難しいと言えるでしょう。

 

では理性的になる努力とは具体的にどのようなことでしょうか。

 

それとは、求めることを穏やかにしていくことが、もっとも効果的だと言えるでしょう。

 

人は求めるものですが、それは欲求があるからでもあります。

 

欲求の全てを捨てることは不可能ですが、運命の人と出会いたいという欲求は弱めていくほうが良いと言えます。

 

なぜなら、あなたをあなたらしくしていない原因、つまり理性的で創造的なあなたを邪魔しているものこそ、運命の人へのこだわりや執着であり、欲求であると言えるからです。

 

運命的な出会いは脳が求める快楽からは得ることができないでしょう。

 

その理由というのも、快楽への追求が、創造性を失う原因になっているからだと言えます。

 

あなたが一人暮らしているとして、休日の朝、一体どのようなことを求めているでしょうか?

 

きっと、寝起きから数十分の間は、何も求めるものがなく、心がゆったりとしていることでしょう。

 

やがて「今日は何をしよう(欲求を満たそう)か?」と考え始めて、それに向かって計画的に考え、合理的に動いていくでしょう。

 

そうやって人は創造性から徐々に快楽(楽しみなども含め)という欲求を満たそうと、脳に動かされていく傾向となっていきます。

 

欲求を捨てること、それは快楽を捨てることとも同意義ですが、これを捨てないにしても、離れてみたり、ある時には忘れてみたり、距離を置くことが重要でしょう。

 

そうしていくと不思議なことに、恋愛に限らず、これまでのあらゆる問題にも変化が訪れていきます。

 

その理由とは、あなたの脳が欲求から離れ、不足や恐れから離れ、創造性を高めていく理性的な城田になったからです。

 

そうです。

 

運命の人やその出会いも、そのようにして自然な改善と解決の中で、現れてくることの一つだということです。

 

 

人は求めることで、自ら恐れてしまう状況を作り上げてしまいがちです。

 

しかし人は同時に、求めないということを嫌います。

 

それは脳がそれを拒む傾向があるからと言えます。

 

そしてそのままにしておくことで、快楽という欲求を捨てるどころか、大切にしようとしていきます。

 

つまり、価値を作ってしまうということです。

 

それを手にすることに価値が高まると、ますます捨てることはおろか、距離を置くことさえも難しくしてしまうでしょう。

 

もしあなたの中に、運命の人や、運命の出会いがとても価値が高いものだとしたら、理性的で創造的な自分に戻ることを難してしまうことにつながりかねません。

 

それ結果的に、間違った運命の選択をする傾向を強めるか、何も得られないかのどちらかになってしまう可能性さえあります。

 

少しずつ、自分の求めているもの、価値があると思っているものから、自分の意識や行動や、思考を遠ざけてみましょう。

 

これは初めての試みとなるかもしれませんが、今までやってこなかったを、あえてやってみる価値こそあるものです。

 

なぜなら、今までと同じことをやっても、その先の結果に変化を起こすことは非常に困難であるからです。

 

自分自身を欲求や不足感、そしてそれらから生まれている恐怖感から、徐々に解放してあげましょう。

 

手っ取り早い方法は、求めることを考えないようにしてみることです。