6「運命の人を引き寄せる」

 

上述のように運命や運命的な出会いは、引き寄せの法則のように、とても自然なことの一つであり、人の人生の中にある「流れの中の一つ」だと言えます。

 

流れの中の一つというのは、あなたの日常生活の中にあるもので、例えば買い物に行く途中で誰かと肩がぶつかったとします。

 

多くの場合、これが運命的な出会いだと気がつく人はいないものです。

 

また、運命の出会いだと断定することも不可能であり、間違ったことが多くあります。

 

たまたま肩がぶつかった人は、人生の中できっと数人か数十人はいることでしょう。

 

それらすべてが、自分の運命の人であるはずもありません。

 

しかし、このような何も重要性のない部分に、運命的な出会いというものが隠されている場合が多くあります。

 

そして肩がぶつかるだけでなく、もしかすると、会社であなたの目の前に座っている人だったり、小さな頃から知っている幼馴染だったりもします。

 

そうです。

 

誰であるかを特定することが、とても困難なのが、運命の人であると言えるのです。

 

つまり、運命の人が誰であるかを特定すること、それ自体が、運命の人や運命的な出会いから、あなたを遠ざけている可能性が高いのです。

 

 

運命の人が誰であるか、出会いはどこにあるか、それらに気を配ること、心配すること、そしてそれを決めつけようとすること、その行為には、あまり大きな価値がないというわけです。

 

もしかしたら本質的に価値のない行為に対して、それが非常に重要だという価値をつけてしまっているのは、自分自身であることがほとんどなのです。

 

人は価値をつけたがります。

 

そう、その理由は、上述したように、人の脳は欲求を満たそうとすることが本能的に備わっており、そして欲求は恐怖を生みやすいからです。

 

例えば、本当はこの仕事をしたいわけじゃないけど、生活が困難になるから仕事をしている。という人がいるとします。

 

これは食欲や物欲といった生存欲求を満たすために、恐怖によって、自分の選択が正しいことや、その選択には価値があると思っていると言えます。

 

もちろん仕事をして、生きていくことは重要だし、仕事には人の役に立てるほど、大きな価値があるものです。

 

 

しかしその人が持っている仕事に対する本来の価値とは、仕事ではなく、食べることや生き抜くことにおいて重要視されていると言えるのです。

 

運命の人やその出会いにおいて、それが欲しいという欲求が強くなると、それがないと自分は幸福ではないという「恐れ」を生みやすい傾向にあります。

 

この恐れは、脳が当人に欲求を満たそうとする働きの一つであり、それが手に入った瞬間をピークに、この恐怖感から解放されます。

 

 

人は欲求を追い求め、恐怖から解放されようと、無意識に動かされていることが、非常に多くあるのです。

 

だから、運命の人や出会いを、自分がなぜ求めているのか、その理由を明確にすることは重要であり、それが第一歩となり、さらに、その欲求から踊らされていた自分にまず気がつく必要があるということです。

 

 

ここまで読み進めたあなたには、きっと理解ができていることでしょうが、欲求による恐怖で動かされている期間は、運命の人を間違いやすいということなのです。

 

そうです。

 

この状態では、運命の人を引き寄せることは、ますます困難になります。

 

そして恐怖から解放されるために、人は一生懸命になり、それを探し求めようとします。

 

 

ここで問題が発生します。

 

自分は運命の人と出会い、そして幸福になりたい。という欲求は、別の言い方をすれば、運命の人と出会っていない今の私は、とても不幸なのだ。という認識が元になっていることです。

 

人は空腹だから、何か食べたいと思うものです。

 

つまり、栄養などが不足しているという判断を、脳がしているのです。

 

このような判断をした脳が、指令を与え、人はその指令のもと、自然と何かを食べたいと感じ、そして欲求が満たされるまで食べます。

 

不足感はさらなる恐れ、恐怖感を大きくさせる傾向があります。

 

つまり、運命の人や出会いを求めている傾向にある人は、不足感を強く持っており、その不足感は大きな恐怖感となっており、脳に突き動かされている可能性が高いのです。

 

このような恐怖感が高まった状態は、脳の辺縁系の扁桃体といった部位を、活性化させることがわかっています。

 

扁桃体とは、恐怖や不安といったネガティブな感情だけでなく、嬉しい楽しいといった快楽やポジティブな感情を人に与える働きをしていることがわかっています。

 

そして、欲求もこの扁桃体が司っていることがわかっています。

 

扁桃体が活性化し、欲求や恐怖といった感情が高まっているとき、理性的な思考を司っている前頭前夜の働きを抑えてしまいます。

 

何が言いたいかというと、前頭前夜が抑えられることで、人は非常に思考が浅くなり、目の前の出来事に対して敏感に反応しやすくなる状態が、自然と作られるということです。

 

この状態になると、運命の人を手短に決めてしまおうとしたり、ちょっと心が動かされた人に対して、運命のようなことを感じやすくなります。

 

これが多くの人が、運命の人だと間違ってしまう典型的な一例だと言えます。

 

それはただ、感情が敏感になりすぎた状態で、目の前のことをとてもオーバーに捉えて、「答え」を決めてしまっただけ、ということが多いのです。

 

運命の人や出会いは、そのような感情的なものではなく、とても自然な流れの中にあるものです。

 

むしろ、感情的な出会いは、運命の人との出会いではないことが多くあるでしょう。

 

運命の出会いは決して、あなたを揺さぶり、理性的な判断を失うような刺激的なものではではないし、奇跡的なものでない、そう言われるとどう感じるでしょうか?

 

つまらない。

 

嫌だ。

 

もっと感動的なものが欲しい。

 

そう感じたりするかもしれません。

 

しかし、それを求めているということは、その時点で、すでに脳の欲求に自分の身を委ねようとしている可能性が高いのです。

 

脳の欲求に自分が支配されるか、それとも脳を自分が支配するか、その二つの選択しか人には残されていないと言えます。

 

なぜなら、上述したように扁桃体が高まるつまり、感情的な働きを強まると、人は理性が弱くなり、理性が強くなると逆に、感情的な働きが弱くなるからです。

 

そして運命の人を間違えないことや、それに加えて引き寄せるには、理性的な働きが重要であると言えるのです。

 

これが、自然のように起きている運命の出会いに気が付きやすくなり、運命の人が誰であるかにも気が付きやすくなる状態だと言えるでしょう。

 

脳が求める欲求と、不足感と、そして恐怖感から解放され、創造的な脳の部位を活性化することが重要となります。

 

そして人は、それがないとダメなんだと思い込むまでに膨れ上がった欲求と恐怖から、自分を解放した時に、運命の人を引き寄せることを可能にするでしょう。